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再建築不可の買取業者を比較|全国対応と地域密着の違いと選び方

再建築不可の買取業者を全国対応・地域密着・大手の買取保証の3タイプで比較。買取価格の目安は通常の5〜7割。業者に出す前に確認すべき43条許可と隣地打診、相見積もりの取り方まで解説します。

公開 2026/10/25 更新 2026/10/27 監修: 堀 充宏(株式会社カントリーライフ 代表取締役)

「地元の不動産会社に相談したら、再建築不可なので扱えないと言われた」。相続した実家や古い貸家でこう言われて、次にどこへ持ち込めばいいのか分からなくなっている方は少なくありません。再建築不可の家は買い手が住宅ローンを組みにくいため、一般の仲介では買主が見つかりにくく、専門の買取業者に話が流れがちです。

ただし、買取業者は「全国対応の専門業者」「地域密着の業者」「大手仲介の買取保証」で、価格の出方も得意な物件も違います。この記事では、2026年10月時点で公開されている各社の情報をもとに、再建築不可の買取業者をタイプ別に比較し、相見積もりで損をしないための選び方をまとめます。

先に結論です。再建築不可の買取価格は、通常の物件の 5〜7 割が目安とされています。ただし「隣地の所有者」「建築審査会の許可(43条2項2号)が見込める物件」では、買取業者より高く売れることがあります。業者に出す前に、この 2 つを確認してください。

再建築不可の買取業者を比較する前に知っておくこと

再建築不可の買取業者を比較する前に知っておくこと

再建築不可とは「建て替えができない土地」のこと

建築基準法第43条は、建物の敷地が幅員 4m 以上の道路に 2m 以上接していること(接道義務)を求めています。これを満たさない土地は、今の建物を壊すと新しい建物を建てられません。これが再建築不可です。路地状の敷地(旗竿地)の間口が 2m に足りない、前面の道が建築基準法上の道路に当たらない、といったケースが典型です。

ただし、建築基準法第43条2項2号の許可(いわゆる但し書き許可)を建築審査会から得られれば、例外的に建て替えが認められます。許可の基準は自治体ごとに違うので、売る前に市区町村の建築指導課で可能性を確認するのが、価格を決める最初の分かれ道です。

なぜ仲介で売れにくく、買取に流れるのか

買主が住宅ローンを使えないことが最大の理由です。金融機関は再建築できない土地の担保評価を低く見るため、ローン審査が通りにくく、買主は現金で買える人か、投資家、業者に限られます。地元の仲介会社が「扱えない」と言うのは、買主を探す見込みが立たないからで、物件そのものに値段が付かないという意味ではありません。

再建築不可の買取業者を 3 タイプで比較

再建築不可の買取業者を 3 タイプで比較

各社の公開情報(2026年10月時点の公式サイト・公表資料)をもとに整理しました。手数料や対応スピードは条件や物件で変わるため、最終的には各社に直接確認してください。

タイプ主な業者(例)対応エリア特徴向いている物件
全国対応の専門業者AlbaLink(訳あり物件買取プロ)、ネクスウィル、クランピーリアルエステート全国 47 都道府県直接買取で仲介手数料なし。残置物そのまま、共有持分・借地・事故物件など複合的な問題にも対応地方の物件、権利関係が複雑な物件、片付けができない物件
地域密着の買取業者フレキシブル(東京)、第一土地建物(東京 23 区中心)、ホームスタッフ(横浜・川崎)など首都圏などエリア限定再販の出口(リフォーム再販、賃貸化)を地元で持っているため、エリア内なら価格が出やすい都市部で立地が良い物件、リフォームして住める状態の物件
大手仲介の買取・買取保証東急リバブル、三井のリハウスなど全国(都市部中心)まず仲介で売り出し、売れなければ買い取る「買取保証」の形が中心時間をかけて高く売りたいが、最後の受け皿も欲しい物件

AlbaLink は東証グロース市場の上場企業で、2026年9月時点で全国 80 以上の市町村と空き家対策の協定を結んでいると公表しています。ネクスウィルは共有持分・底地・再建築不可を買い取って権利を整理し再販する事業を全国で行っており、累計 1,000 件以上の買取実績を発表しています。クランピーリアルエステートは相続・共有持分・再建築不可を専門とし、全国 1,500 以上の弁護士・司法書士・税理士との連携を同社の特徴として挙げています。

「全国対応」と「地域密着」で価格の出方が違うのは、再販の出口が違うからです。全国対応の業者は投資家向けに利回りで値付けするため、家賃が取れない地方の物件は安くなります。地域密着の業者は地元の建築会社や隣地所有者に売る出口を持っていることがあり、都市部ではこちらの方が高いこともあります。

買取業者より高く売れる 2 つのケース

買取業者より高く売れる 2 つのケース

「再建築不可は業者買取しかない」と思い込むと、本来の価格を取り逃します。先に次の 2 つを確認してください。

1. 隣地の所有者に打診する

隣の土地と一体にすれば接道義務を満たし、再建築できる土地になります。隣地の所有者にとっては、自分の土地の価値が上がる買い物なので、業者買取より高い価格で買うことがあります。地域の仲介会社に依頼すれば、隣地所有者への打診を含めて販売活動をしてもらえます。

2. 建築審査会の許可(43条2項2号)が見込める

前面の道が幅 4m 近くある、周囲に空き地がある、避難に支障がないといった条件がそろえば、許可の可能性があります。許可が見込める物件は「再建築不可」ではなく「条件付きで建築可」として売れるため、価格が大きく変わります。確認は市区町村の建築指導課で無料でできます。

買取業者の中には、査定額を高く見せて専任媒介を取り、実際には仲介で買主を探す会社もあります。「直接買取か、仲介か」を最初に確認し、買取なら買付証明書(金額と決済日が書かれた書面)をもらってから他社と比べてください。

失敗しない買取業者の選び方 5 つ

失敗しない買取業者の選び方 5 つ

  1. 対応エリアを先に確認する。エリア外の物件は現地調査の手間がかかる分、価格が低くなりがちです。地方の物件は全国対応の専門業者、都市部は地域密着の業者も候補に入れてください。
  2. 最低 2〜3 社から買付証明書を取る。再建築不可は業者ごとの出口が違うため、同じ物件で査定額が 1.5 倍以上開くことも珍しくありません。
  3. 宅地建物取引業の免許番号と行政処分歴を見る。免許番号の( )内の数字は更新回数で、数字が大きいほど営業年数が長い会社です。国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」で処分歴を確認できます。
  4. 残置物・測量・解体の扱いを聞く。「そのままでよい」と言われても、価格から差し引かれているのが普通です。差し引き額を明示してもらってください。
  5. 費用負担が発生しないか確認する。再建築不可で建物が傷んでいる場合、業者によっては「有償で引き取る(売主が費用を払う)」提案になることがあります。これは売却ではなく処分なので、他の選択肢と比べてから決めてください。
Aさん(60代・神奈川県在住・相続した実家は東京都内・築50年の木造)
地元の不動産屋さんに「再建築不可だから無理」と言われて、ネットで見つけた全国対応の業者に出したら 400 万円でした。念のため近所の会社にも聞いたら、隣の家の方が「駐車場にしたい」と 650 万円で買ってくれることになって。最初から 1 社で決めなくてよかったです。
Bさん(40代・大阪府在住・相続した貸家は奈良県・築45年・残置物あり)
地方なので隣地の方も高齢で買う話にはならず、結局は専門業者の買取になりました。3 社に見てもらって、一番高い会社と一番安い会社で 120 万円の差がありました。残置物の処分費をどう見るかで差が出たみたいです。

※ イエサテーに寄せられた声をもとにした例です。

再建築不可の家でも、地域で実績のある会社を最大 3 社ご紹介。隣地への打診や許可の可能性も含めて、売り方を比べられます。

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買取価格の目安と、価格を決める 3 つの要素

買取価格の目安と、価格を決める 3 つの要素

買取業者各社の公開情報や比較記事では、再建築不可の買取価格は通常の物件の 5〜7 割が目安とされています。たとえば周辺の整形地の相場が 1,500 万円なら、750〜1,050 万円程度です。ここから残置物の処分費や解体費が差し引かれることもあります。

要素価格が上がる条件価格が下がる条件
立地駅近・都市部で賃貸需要がある地方で賃貸需要が無い
建物の状態リフォームで住める(構造が健全)雨漏り・傾き・シロアリで再利用できない
再建築の可能性43条の許可や隣地取得の見込みがある接道が全く無く、隣地の協力も得られない

この 3 つのうち、売主が動かせるのは「再建築の可能性」だけです。建築指導課での確認と隣地への打診は費用がかからないので、業者に出す前にやる価値があります。

イエサテーの掲載会社は「再建築不可の取り扱い可否」を登録しています

イエサテーの掲載会社は「再建築不可の取り扱い可否」を登録しています

イエサテーでは、紹介する不動産会社に対応エリアとあわせて、再建築不可や市街化調整区域の物件を扱えるかどうかをヒアリングシートで登録してもらっています。査定依頼の際に再建築不可と分かっていれば、扱えない会社には最初から送らず、対応できる会社だけをご紹介します。「断られてから次を探す」を繰り返さなくて済むのが、一社ずつ当たる場合との違いです。

相続した家の場合は、売却の前に相続登記が必要です。手続きの流れは相続登記の義務化と売却前に必要な手続きで、相続した家の売却全体の進め方は相続した家の売却でまとめています。

よくある質問

Q. 再建築不可の家は本当に売れますか?

A. 売れます。買主が住宅ローンを使えないため一般の仲介では時間がかかりますが、専門の買取業者、隣地の所有者、投資家という買い手がいます。価格は通常の物件の 5〜7 割が目安です。

Q. 買取業者に出す前にやるべきことはありますか?

A. 市区町村の建築指導課で、建築基準法43条2項2号の許可の可能性を確認してください。許可が見込めるなら「条件付きで建築可」として売れ、価格が大きく変わります。あわせて隣地の所有者に買う意思があるかも確認する価値があります。

Q. 残置物を片付けてから査定を頼んだ方がいいですか?

A. 片付ける前に査定を取ってください。残置物対応をうたう業者は多く、片付け費用を先に払ったのに査定額が変わらないことがあります。処分費がいくら差し引かれているかを、各社に明示してもらうのが確実です。

Q. 買取と仲介、どちらが高く売れますか?

A. 時間をかけられるなら仲介の方が高くなることが多いです。ただし再建築不可は買主が限られるため、半年以上売れないことも珍しくありません。急がないなら「仲介で売り出し、売れなければ買取」の買取保証付き仲介も選択肢です。

Q. 業者から「費用を払って引き取る」と言われました。普通ですか?

A. 建物が傷んでいて再利用できず、土地にも需要が無い場合に、そうした提案が出ることがあります。ただし他社なら値段が付くこともあるので、1 社の提案で決めず、必ず複数社に見てもらってください。

Q. 相続登記が終わっていなくても買取の相談はできますか?

A. 相談と査定はできます。ただし売買契約までには相続登記を済ませる必要があり、2024年4月からは登記が義務化されています。登記と売却を並行して進めるのが一般的です。

この記事のまとめ

  • 再建築不可の買取価格は通常の物件の 5〜7 割が目安。業者のタイプ(全国対応・地域密着・大手の買取保証)で価格の出方が違う
  • 業者に出す前に、建築指導課で 43 条の許可の可能性を、隣地所有者に買う意思を確認する。どちらも無料で、価格が大きく変わる
  • 買取は必ず 2〜3 社から買付証明書を取る。残置物の処分費が差し引かれている額を明示してもらう
  • イエサテーの掲載会社は再建築不可の取り扱い可否を登録しているので、対応できる会社だけを紹介できる

関連ページ: 相続した家の売却

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